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新潟を走る電車の混雑率が凄いらしい

旅行・散策・交通

昨年度行われた国土交通省の調査で、新潟県を通るJR信越本線(新津ー新潟間)が、日本中のJRの路線で最も混雑率が高い路線になったそうです。(JR以外を含めると日暮里舎人ライナーが1位)

おそらく普段はすさまじく混雑している首都圏の路線の混雑率が、新型コロナウイルス流行によるテレワーク化や外出自粛によって減少したことによるものだと思われますが、それでも新潟の路線が1位になったというのは驚くべきことです。

新潟なんだから、電車の本数も少ないし、編成も短いんでしょ?それで混雑率トップって言われても・・・とおっしゃられる方もいるでしょう。

もちろん、それは正しいです。信越本線の当該区間の朝ラッシュ時の本数は多くても6分に1本程度ですし、電車の編成も6両以下です。2,3分に1本の頻度で10両を超える編成の電車が来る首都圏とは比べものになりません。

したがって、上記の調査を持ち出して、新潟都市圏は首都圏や関西圏を凌ぐ大都市圏だ!なんていうつもりは毛頭ありません。

しかし私は、信越本線の混雑率がJRで国内1位になったことは、単純に新潟という都市のポテンシャルの高さを示しているのではないかと思います。個人的な願望も含んでいますが、新潟市は強みが多くあるため、今後より存在感を強めていくと思っています。

新潟市は周囲の自治体を巻き込んで合併し、半ば無理やりに80万人という人口を獲得したという側面もありますが、日本海側で唯一の政令指定都市ですし、市中心部は太平洋側の大都市に引けを取らないくらい発展しています。

鉄道だけでなく路線バスも充実しているため、旧新潟市(平成の大合併以前から新潟市であった地域)であれば、公共交通機関だけで問題なく生活することができます。

その一方で、首都圏ほど人がいっぱいいるわけでもありません。中心部から少し離れれば人混みとは無縁になるので、首都圏の人混みに参っているという方にもおすすめできます。

新潟市は都市機能以外の面でも優れています。日本海側に位置しているため、冬季は天気が悪く大雪が降るというイメージを抱いている方も多いかと思いますが、実は旧新潟市内であれば雪は大して降りません。(当たり前ですが、それでも首都圏よりは多く雪が降ります)

マンションなどに住めば除雪する必要もありませんし、気温も氷点下になることはほとんどなく、関東地方とそこまで変わらないので、北海道や長野県ほど寒くもありません。

急峻な山脈が県を囲うようにそびえているため、台風が接近してくることも少ないです。冬場は晴れる日が少ないことと、20~30cm程度の積雪に慣れなければいけないという点を除けば、過ごしやすい気候であると言えます。

海が近いエリアであり、米どころでもあるため、食事が美味しく、色々な食べ物を楽しむことができます。また、市中心部から少し離れればすぐに自然豊かな地域に行くことができるので、休日に自然を楽しむことも充分可能です。

新潟市にはこのような点のほかに、「首都圏に近い」という大きな強みもあります。上越新幹線を使えば東京駅から新潟駅までは2時間弱でアクセス可能です。新幹線は雪にも強いため、降雪が増える冬季でも無理なく移動することができます。

東京から新潟へ移動した場合の料金は1万円程度ですから、そこまで高くはありません。1万円でも高いという方は、夜行バス等を使われれば一夜5000円以下で移動できます。

というわけで、新潟市は世間で思われている以上に強みが多く、ポテンシャルに富んだ都市なのではないかと思います。1つ難点があるとすれば、やはり仕事が少ないというところでしょうか。これに関してはリモートワークの普及に期待したいところです。

ではなぜ、ここまで強みがあるはずの新潟市の人口は増えるどころか、減っているのでしょうか?そこにはいくつか理由が考えられます。

1つ目の理由は、新潟の人は東京志向が強いため、皆東京へ行ってしまうからです。東京への交通の便も良いですから、皆気軽に進学や就職で東京に行きます。新潟という県は旧新潟市以外はそこまで発展していないので、新潟市外の人が東京へ出るのはまだ分かるのですが、比較的都会である新潟市内の人も上京してしまうんですね。

上京した一部の人はしばらくしたら戻ってきますが、多くの人は東京で定着してしまいます。

2つ目の理由は、新潟市は「○○地方の中心都市」と呼ばれることが少なく、他地域からの移住者が少ないからです。

日本各地に、「○○地方の中心都市」と呼ばれる都市がありますよね。例えば札幌市は北海道地方の中心都市で、仙台市は東北地方の中心都市です。福岡市は九州地方の中心都市ですね。

このような都市は周囲の県や自治体から人口を吸い上げて発展しています。札幌市は道内から、仙台市は東北各県から、そして福岡市は九州各県から人が流入しているわけです。

しかし新潟市にはそれがありません。新潟県自体がどの地方に属しているのかが不明確ですし、新潟市に近い県(山形県、福島県など)の人々は皆新潟市ではなく仙台や東京に出てしまうのです。

新潟市から比較的近いエリアに格上の大都市(仙台や東京など)が控えているため、市内に人口が流入しにくいという構造になっているのでしょう。

まとめると、新潟市は都市としての能力が高い一方で、周辺に仙台や首都圏などの規模の大きな都市があるため、日の目を見ることが少ないということです。

コロナ禍によって地方・郊外が注目される中、新潟市への注目や関心がより高まることを期待したいです。

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