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東京・埼玉で震度5強を観測する地震が発生(2021/10/08)

10月7日22時41分ごろ、千葉県北西部(千葉市付近)を震源とするマグニチュード5.9の地震が発生しました。

最大震度は5強で、埼玉県川口市や宮代町、東京都足立区で観測しました。東京23区で震度5強を観測したのは、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)以来約10年半ぶりのこととなります。(東日本大震災では、荒川区や千代田区、江東区、板橋区などで震度5強を観測)

地震によって被害が損壊するなどの被害はほとんどありませんでしたが、東京都内の一部地域では水道管が破裂するという被害が発生しました。

交通では、首都圏を通る鉄道の多くが一時運転見合わせとなり、JR東海道線や横須賀線、南武線などは翌日朝になってようやく運転再開となりました。深夜帯になっても運休が続く路線が多かったため、公共交通機関を使って自宅に帰宅できない「帰宅難民」も発生したようです。また東京都交通局の日暮里舎人ライナーでは、地震によって車両が脱輪したため、運転再開が遅れています。

私も首都圏に住んでいるため今回の地震には驚きました。緊急地震速報では最大震度5強という予想が出たため、スマホの緊急警報が鳴り響きましたが、警報が鳴ったのは揺れ始めた後でした。

東京都は震度5以上の地震がほとんど起きたことがない地域

気象庁震度データベースを使って調べて見ると、1919年1月1日から2021年10月7日までの約100年間の間に発生した地震の中で、東京都内で震度5以上を観測したものは74地震あります。

数にしてみると多いように思えますが、74地震のうちの多くは伊豆諸島や小笠原諸島で震度5以上を観測した地震です。つまり、東京23区や多摩など、東京都の本土で震度5以上を観測した地震はほとんど起きていません。

東京都の本土で震度5以上を観測した地震としては、1923年9月1日に発生した神奈川県西部を震源とする地震(関東大震災)で震度6、1985年10月4日に発生した茨城県南部を震源とする地震で震度5、1992年2月2日に発生した東京湾を震源とする地震で震度5、2005年7月23日に発生した千葉県北西部を震源とする地震で震度5弱、そして2011年3月11日に発生した三陸沖を震源とする地震(東日本大震災)で震度5強、などがあります。

観測が始まってから100年以上が経っていますが、これまで東京都本土では片手で数えられる程度しか大きな地震が起きていないということになります。

しかし、今後も似たような状況が続くとは限りません。98年前の1923年に関東大震災が発生し、首都圏を中心に甚大な被害が出たように、将来的にも首都圏が大規模災害に巻き込まれる可能性はゼロではありません。

戦後以降首都圏には大規模災害がほとんど発生していないため、人々の意識やインフラが災害に対応していない可能性もあると思います。今回の地震でも鉄道が運行を停止して帰宅難民が多数発生したり、水道管が破裂するなどの被害が起きています。

関東大震災以来100年近く、東京都本土で震度6を超える揺れを観測する地震は発生していません。これはつまり、東京という都市が、震度6以上の大地震に対応しているかどうかは全く分からないということです。

かといって、将来の災害を見越して東京から離れた場所に住むということも難しいというのが現状です。東京にいながら将来来たる災禍に備えるためには、自分の住む地域や学校・会社の周辺地域の災害に対する脆弱性を知り、決して遠い将来の話ではないと捉えて備えを進めていくことが求められるでしょう。

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