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北海道新幹線札幌延伸でLCCはどうなるか?

2030年度に、北海道新幹線が札幌まで延伸する予定です。

北海道新幹線札幌延伸によって、成田から新千歳へ向かうLCCの需要はどうなるのかについて考えたいと思います。

結論から言うと、特に施策を講じなければLCCの需要はそれほど変わらないのではないかと思います。

理由は、やはり北海道新幹線は料金が高いからです。東京駅から新函館北斗駅まで東北・北海道新幹線を使って移動すると、料金は23000円ほどかかります。

東京から見て札幌は新函館北斗よりも遠い位置にありますから、東京から札幌まで移動すれば料金は23000円を優に超えます。

その一方で、LCCを使って成田空港から新千歳空港へ行く場合、運賃は1万円以下で済む場合がほとんどです。

東京から成田空港まで移動するために必要な交通費を考慮しても、新幹線の半額以下で旅行ができてしまうことが分かるでしょう。

LCCは安さを売りにしているので、LCCよりも安く移動できる交通手段が現れない限り、需要はなくなりません。新幹線ができたから試しに一度乗ってみようという人もいるとは思いますが、LCCからたくさんの乗客を奪うことは至難の業です。

しかし、かといって北海道新幹線 VS LCCはLCCの完勝になるのかと言われれば、そういうわけでもないと思います。

なぜなら、LCCにも多くのデメリットがあるからです。最たるものは、「成田空港のアクセスが悪い」「(冬季は特に)遅延・運休しやすい」点でしょう。

成田空港へのアクセスは、今後良くなる見込みはあまりありません。東京駅などのターミナル駅からバスで第3ターミナルまで移動するか、成田エクスプレス・スカイライナーを使うかの2つに1つという状況は継続します。

北海道新幹線が札幌まで延伸すれば、東京・上野・大宮などの駅から直接札幌まで移動することができるようになります。LCC利用者の中には、「成田空港に行くのが面倒くさい」と思いながら使っている人も一定数いるとは思うので、彼らの一部が新幹線に流れることも期待できるでしょう。

埼玉県から成田空港に行くには2時間以上かかるので、特に埼玉・北関東エリアでの新幹線に対する潜在的な需要は少なくないと見ています。

また、新幹線は、「遅延・運休しづらい」というメリットもあります。冬季には頻繫に運休が起きているLCCと比べ、新幹線であればよほどの災害が起きない限り運休にはなりません。

運休する可能性を考えながら旅行やビジネスの計画を立てなければならないというのはストレスになりますし、特にLCCでは運休時の対応が面倒であることも多いので、この点では新幹線が大きな優位性を発揮しそうです。

まとめてみると、北海道新幹線は料金面ではLCCに歯が立ちませんが、それ以外の点では勝っている部分も多いため、工夫次第ではLCCから乗客を奪える可能性があるということです。

では、どんな工夫ができるのでしょうか。1つは、「割引きっぷを充実させること」です。すでに、JR北海道やJR東日本では、「えきねっと」を活用した割引きっぷが販売されています。

割引きっぷの中には通常の半額で特急や新幹線に乗車できるものもあり、お得な金額で移動することができます。

東京から札幌まで1万円台(半額)で移動できるとあれば、LCCではなく新幹線を選ぶ人も多くなるのではないかと思います。割引きっぷを導入する際には、きっぷの存在を普段新幹線に乗らない人でも知ってもらえるよう、広告宣伝に取り組んでいくことが求められるでしょう。

新幹線と宿泊をセットにしたプランを充実させることも一案です。JALやANAではフライトとホテルをセットにした旅行プランが多数販売されているため、新幹線でも同じような施策を導入し、札幌や小樽、ニセコ方面への観光需要を喚起させることを目指します。

以上、今回の記事では、北海道新幹線札幌延伸とLCCについて考えてみました。今でこそ北海道新幹線は多くの赤字を出していますが、札幌まで延伸すれば、重要な路線の1つに数えられるようになると思います。

新幹線だけで北の大都会札幌へ行けるというのは大きなロマンがあるので、LCCと張り合えるような割引きっぷの登場を期待したいですね。

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