※当記事は、「note」でも掲載しています。
11月に入り、北海道は寒さが厳しくなりつつあります。
場所によっては冬日は当たり前、そして初雪を観測する地域もでてきており、本格的な冬が近づいてきています。
そこで今回は、札幌から比較的アクセスしやすい地域の中で、特に「寒い」地域はどこなのかを調べてみようと思います。
「寒い」地域を調べるために、気象庁が公表しているアメダス(気温)を用います。
アメダスのデータは過去50年以上にわたって確認することができるが、全てをチェックするのは時間がかかるので、今回は過去3シーズン(2020~2022)のデータを使います。
具体的な定義については、例えば2022シーズンの場合、前年の2021年12月~2022年2月という、特に寒さが厳しくなる季節の「最低気温」をチェックし、シーズンの中で最も低い最低気温を記録します。
これを、今回は石狩地方に属する各地点で実行していきたいと思います。
石狩地方のアメダス各地点を調べる
それでは、石狩地方に属する各地点について、最低気温と観測した年月日を記録します。
- 札幌:--10.4度(2022年1月1日)、-12.6度(2020年12月31日、2021年1月2日)、-14.9度(2020年2月9日)
- 山口(手稲山口):-15.5度(2021年12月26日、2022年1月10日)、-15.5度(2021年1月6日)、-18.5度(2020年2月9日)
- 石狩:-16.3度(2022年1月1日、2日)、-20.2度(2021年1月10日)、-20.6度(2020年2月9日)
- 江別:-23.0度(2022年1月2日、2月11日)-22.1度(2021年1月1日)、-20.4度(2020年2月9日)
- 恵庭島松:-22.0度(2022年1月31日)、-23.0度(2021年1月2日)、-19.6度(2020年2月7日)
- 支笏湖畔:-12.6度(2022年1月1日)、-15.4度(2020年12月31日)、-15.0度(2020年2月9日)
- 新篠津:-22.9度(2022年1月31日)、-26.0度(2020年12月31日)、-20.6度(2020年2月9日)
- 厚田:-17.7度(2022年1月31日)、-20.0度(2020年12月31日)、-19.9度(2020年2月9日)
- 浜益:-15.0度(2022年1月31日)、-21.5度(2020年12月31日)、-18.4度(2020年2月8日)
- 千歳:-25.4度(2022年1月31日)、-23.5度(2021年1月10日)、-20.9度(2020年2月9日)
石狩地方では、以上の10地点で気温データを収集することができました。
最も気温が低かった地点と、高かった地点
この中で、2020~2022の3シーズンで最も気温が低かったのは、新篠津の-26.0度(2020年12月31日観測)、次いで千歳の-25.4度(2022年1月31日観測)、江別・恵庭島松の-23.0度であることが分かりました。
一番最低気温が高かったのは、「札幌」(-10.4度)でした。札幌は北海道内でも特に都市化が進んでいるため、中心部ほど比較的気温が高い傾向があります。
北海道医療大学の和田研究室のページによると、2000~2022年までの23年間で、札幌の最低気温が最も低かったのは2001年1月14日の-15.0度、次いで2020年2月9日の-14.9度です。
それ以外は-10度~-13度程度で済むことが多く、北海道としては気温は高めであることが伺えます。
ただ、同じ札幌市内でも、地域によって気温は大きく異なります。
「札幌」のアメダスは中央区(札幌管区気象台付近)にありますが、例えば江別市に近い厚別区や、北広島市に近い清田区などは、中央区と比べかなり気温が低くなることがあります。
また、当然ながら、中心部から離れるにつれて、気温が低くなる(或いは、積雪量が増える)傾向もあります。北区や東区などでは、中心部からやや離れたエリア(太平、あいの里など)は積雪量が多くなりやすいことも覚えておきたいですね。
旅行者でも、冬の厳しい寒さを体感できる?
さて、ここからは地元に住んでいない旅行者でも、冬の厳しい寒さを体感することができるのかを考えます。
「新篠津」の観測所は新篠津村の中心部にあり(新篠津小学校付近)、比較的アクセスしやすい場所にあります。(公共交通機関を使う場合、岩見沢市内からバスで行くのが便利)
村内には観測所から徒歩圏内に宿泊施設(道の駅と併設)「しんしのつ温泉たっぷの湯」があるため、当地に宿泊して最低気温を体感することも充分可能です。
「千歳」は言わずもがな、新千歳空港がある千歳市に位置していて、観測所は、新千歳空港の滑走路付近にあります。
最低気温が観測される時間帯に、観測所のすぐそばまで行くことは難しいと思われますが、新千歳空港付近は宿泊施設が充実しているため、千歳の寒さを体感することも容易であると考えられます。
「江別」観測所は、江別市の「江別太」という場所にあります。江別東ICからは近いが、江別の中心部からは離れていて、宿泊施設も周囲にはほとんどないので、当地で最低気温を体感することは難しそうです。
ただ、江別太から近い江別駅や豊幌駅であれば、札幌から30分弱でアクセスすることができるので、市街地の寒さを体感することは比較的容易だと思われます。
「恵庭島松」観測所は、恵庭市の島松駅から西に約1kmほど離れた場所にあります。
島松駅周辺は住宅街が広がってはいるが、観測所周辺は人家が少ないため、冬の寒い時期にアクセスするのは大変そうです。
駅周辺に宿泊施設はあるにはありますが(ゲストハウスが1件)、真冬に徒歩で観測所付近まで繰り出すのは無謀と言わざるを得ないでしょう。
ただ、江別と同様、島松駅は札幌から30分前後でアクセスできるので、市街地の寒さを体感することは容易だと思われます。
今回は、札幌周辺で特に寒い地域はどこかというテーマで、石狩地方の寒い地域を調べてみました。今後も余裕があれば、札幌に近い空知や後志など、各地方の状況を調べてみたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。