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サークル文化の終焉?:学生間の交流はどう変わるか

時事問題から考える

新型コロナウイルスの流行が長期化し、課外活動が中止となったりオンライン化したりしたことによって、大学での「サークル文化」が消えてしまうのではという懸念が出ているようです。

コロナ禍が始まったのは2020年の春頃であり、すでにあれから1年半近くが経っていますから、当然ながら当時の1年生は2年生に、そして2年生は3年生になっています。

サークル活動は大学1~3年生が中心となっていることが多く、就職活動などで忙しい大学4年生はサークルに関与することが少ないため、サークル運営を担う学年の多くが通常のサークル活動を知らないのです。

つまり、サークル運営のノウハウや活動方針などが上級生から受け継がれていないということになります。

いくらオンラインで活動をしているとしても、オンラインとリアルの世界とではできることがかなり変わってきます。特にスポーツ系のサークルなど、全員で1つの場所に集合して活動するようなタイプでは、オンラインで活動をすることはほぼ不可能と言えます。したがって、コロナ禍による活動制限が長期化したことで、大学におけるサークルの形態が、今後大きく変わっていくことが考えられます。

オンラインでも問題なく活動ができているサークルであればそれほど大きな変化はないと思いますが、対面でないと意味を成さないようなサークルは大きく変貌していくことになるでしょう。

私の考えでは、将来的な大学サークルは、これまでよりも大学の枠にとらわれない形で活動するようになるのではないかと思っています。

コロナ禍であってもオンラインでは自由に友達を作ったり、自分のことを誰かに知ってもらうことができます。若者が多くいるサイトやアプリを活用すれば、同じ趣味の学生同士が接点を持つことは容易ですから、今後はネットで学生が他学生と交流し、やがてリアルの世界でも交流するようになると思うのです。

ただこれは1つ問題点があります。それは、大学がサークルを「公認」することが難しくなってしまうという点でしょう。サークルはあくまでも学生が企画運営する団体ですが、ダミーサークルを始めとする危険なサークルを排除するために、大学側は基準を満たしたサークルを公認しています。

「○○大学公認サークル」と「非公認サークル」とでは、サークルに対する信頼度が大きく変わります。

しかしネットが活動の拠点となってしまうと、大学側がサークルの存在を認知したり、公認審査をしたりすることが非常に難しくなります。サークルが事件や不祥事などを引き起こしてしまえば大学側が非難を受けることになりますから、現実的に考えるとサークルの形態が大きく変貌することは期待できないかもしれません。

ただ、コロナ禍やオンラインにおける活動が浸透したことで、学生同士がネット上で出会ったり、交流したりするようになる流れは定着していくと思います。

新型コロナウイルス流行によって大学は大きな転換点を迎えています。大学にまつわる常識が今後どう変わっていくのか、注視していきたいと思います。

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