皆さんこんにちは。
今回は、時刻表を見ていて気が付いたことを書きます。時刻表は、2022年の内容です。
豊富駅での特急宗谷と沿岸バスの接続
宗谷地方に位置する豊富町にある、宗谷本線豊富駅。豊富温泉が有名で、もちろん特急宗谷・サロベツ号も全て停車します。
さて、豊富駅から豊富温泉へのアクセスを考えたいと思います。
豊富温泉は駅からやや離れているので、温泉に行くためには路線バスを利用する必要があります。
特急宗谷はJR北海道、路線バスは沿岸バスというそれぞれ別の会社が運営しているため、乗り継ぎは良くなさそうです。
それでも、最近は地方ローカル線とローカル路線バスが協力してダイヤを組み、地域の観光振興に役立てようとしています。
そこで期待して沿岸バスの時刻表を見てみると、驚きの事実が分かったのです。
豊富温泉行きのバスが豊富駅を出るのは、11時55分。札幌発稚内行きの特急宗谷が豊富駅に到着するのが、11時59分です。
つまり、数分の差で特急宗谷から沿岸バスに乗り継ぐことができないのです。
特急宗谷は宗谷本線を代表する列車で、1日1往復しかありません。札幌から豊富へ乗り換えなしで行ける列車も、これだけなのです。
この列車の存在を沿岸バスが知らないというのはいささか不可解です。私の考えでは、沿岸バスはこのようなダイヤを敢えて作っていると推測します。
以下、その理由を考えてみます。
理由：沿岸バスが運行する高速バスへの誘導？
沿岸バスは、札幌から留萌を通って羽幌、天塩などを経由して、豊富へ向かう高速バスを運行しています。
天塩以南は旧羽幌線を通るためJR北海道との競合区間は少ないですが、札幌⇒豊富という移動に関しては完全にJRと競合しています。
さて、ここからは沿岸バスの高速バス時刻表を見てみましょう。
はぼろ号111便は、札幌駅前ターミナルを朝8時ちょうどに出発し、豊富温泉に12時58分に到着します。
一方、特急宗谷で豊富駅まで行き、路線バスで豊富温泉まで行こうとすると、札幌駅を朝7時30分に出発し、豊富温泉に着くのはなんと14時50分になってしまいます。
先ほど書いたように、路線バスと特急宗谷の接続が悪いためです。
沿岸バスの高速バスを使った方が、JRよりも札幌駅を30分遅く出発でき、豊富温泉に2時間近く早く到着できるということなのです。
豊富温泉は湯治客に人気の温泉として有名です。湯治客の方は、なるべく早く、負担少なく温泉に行きたいと考えるでしょう。
そのような需要を獲得するためにも、沿岸バスは上記のようなダイヤを組んでいると推測します。
対策法：幌延駅で降り、1時間待つ
このようなダイヤから、「札幌から豊富温泉に行きたいなら、JR⇒路線バスではなく、最初から高速バスに乗ってくれ」というメッセージを読み取ることができます。
しかし、物事はそこまで単純ではありません。北海道周遊パスなど、JRのフリーパスを使って旅をすることもありますし、札幌ではなく旭川などから豊富温泉に行きたい場合もあります。
そんな時は、幌延駅で特急宗谷を下車し、幌延で1時間待ってから路線バスに乗り継ぐという方法がおすすめです。
この場合は、幌延駅を12時55分に出るバスに乗り継ぎ、豊富温泉に13時11分に到着できます。
高速バスの場合より到着は遅くなりますが、豊富駅でバスを待つよりは1時間以上早く温泉に行けます。
幌延での待ち時間が1時間ほどあるのが難点ですが、ちょうど昼なので昼ご飯でも食べて暇をつぶすのが良いでしょう。
なお、豊富温泉⇒豊富駅⇒札幌行き特急宗谷の乗り継ぎは、それほど悪くありません。豊富温泉から札幌方面へ帰る際は、安心して移動できそうです。
