※本記事は、「note」上にも投稿しています。
札幌市には、「地下鉄環状線」が必要という話をしたいと思います。
まずは路線図から。
大まかなルートは、
北24条駅(南北線)~美香保~元町駅(東豊線)~東苗穂~菊水元町~白石駅(JR)~
白石駅(東西線)~美園駅(東豊線)~豊平区役所~南平岸駅(南北線)~
市電沿線~円山公園駅(東西線)~桑園駅(JR)
という感じ。
地下鉄環状線の有用性①中心部の混雑緩和
主たるポイントとしては、乗り換え可能駅を多数有しているというところにあります。
現在の札幌では、他路線に乗り換えられる駅というと、札幌駅や大通駅くらいしかありません。
そのため、買い物客や通勤客だけでなく、乗り換え客も駅に殺到するため、札幌駅や大通の混雑具合は凄まじいことになっています。
地下鉄環状線を設けることで、わざわざ札幌駅や大通まで行かずともJRや他の地下鉄線に乗り換えができるので、札幌中心部の混雑緩和につながります。
地下鉄環状線の有用性②:郊外⇔郊外移動の利便性向上
札幌市は地下鉄が3路線もあり、一見便利そうに思えるが、実は郊外同士を結ぶ移動には適していません。
地下鉄線は全て、札幌中心部へと収斂していくようなルートとなっていることがその主たる要因で、だからこそ敢えて中心部を外し、郊外同士の移動に特化した「地下鉄環状線」が必要だと言えます。
地下鉄環状線の有用性③:バス運転手不足問題解決への一助
札幌市内の路線バスでは、最近「運転手不足」が深刻な問題となっています。
先ほども述べた通り、地下鉄だけでは満足に移動できない地域が多く、路線バスの重要性は依然として高い中、その持続可能性に暗雲が立ち込めているのです。
このような状況下で、これまでは路線バスが重要な公共交通であった郊外に地下鉄を通すことで、路線バスの必要性は大きく低下します。
その分、バス会社の人員に余裕が生まれるため、より必要な地域に必要なだけバス便を設定することが可能となります。
地下鉄環状線の有用性④:札幌の車社会化を食い止める
全国でも有数の大都市である札幌市だが、最近は著しく「車社会化」が進んでいます。
その要因は、バス路線の減便などで公共交通の利便性が低下していることや、自家用車にとって便利な商業施設が郊外などに多く整備されていることなどが考えられます。
郊外型商業施設に関しては、今更出店を規制することもできず、もはやどうしようもできない部分ではあります。
しかし、公共交通の利便性を回復させることで、車社会化を食い止めることはできるでしょう。
そのためのプロジェクトとして、札幌市内の公共交通での移動を劇的に便利にする、「地下鉄環状線」が必要となるというわけです。
都心回帰現象と、急速に進む高齢化に対応した交通機関を
札幌では、最近「都心回帰」現象が起きつつあり、雪かきの必要性が少ない地下鉄沿線のマンションなどに移り住む人が増えています。
JR線や、既存の地下鉄3路線全てに乗り換え可能な「環状線」が誕生し、沿線が宅地開発されることになれば、札幌はより住みやすく、洗練された街に生まれ変わることは間違いありません。
そのうえ、札幌は転入超過数に占める高齢者の割合が極めて高いという全国でも珍しい側面も持っています。
車の運転も難しく、「交通弱者」となってしまう高齢者が今後急速に増えていくことを考えると、公共交通網の新たな整備は必要不可欠と言えるでしょう。
高齢者でも住みやすく、快適に移動できる都市を実現すれば、道内はもちろん、道外からも多数の移住者や企業誘致を期待でき、札幌の存在感もより高まることになると思います。