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札幌市内で住みやすい区はどこ?考えてみた

北海道・札幌

※当記事は、「note」(試験運用中)でも掲載しています。

今回は、北海道札幌市に関して「住みやすい区」をデータなどを交えてまとめておきたい。

一般に、「住みやすい場所」とされる地域には、ある特徴がある。

それは、「交通の便が良く」「治安が良く」「都心(札幌中心部)から近い」ことである。

そこで、今回は、「交通の便」「治安」「都心からの近さ」という3つの観点から、札幌市内で住みやすい(と思われる)地域を考える。

治安を区別に比較する

まずは、「治安」に関して。

札幌市がまとめた統計からご紹介する。

刑法犯認知件数(令和3年)区別にまとめると、多い順に

・中央区:2394件

・北区:1422件

・東区:1152件

・豊平区:868件

・白石区:789件

・西区:679件

・厚別区:441件

・南区:325件

・手稲区:283件

・清田区:281件

となっている。

刑法犯認知件数を区別にまとめると、最も多いのが中央区で、それから北区、東区、豊平区…と続くことが分かる。

中央区に関しては、日本三大繫華街の1つに数えられる「すすきの」があるほか、札幌市の中心部で交流人口も非常に多いため、犯罪件数が多くなることは自明と言えよう。

北区が2番目に犯罪件数の多い区というと、少し意外に思われるかもしれないが、これにも尤もらしい理由がある。北区は札幌市内で最も人口が多い区であり、30万人近い人が住んでいる。

人口が多ければ、それだけ犯罪を犯す余地も増えるのであって、犯罪件数が多くなるのも不思議ではない。東区も、市内で2番目に人口が多い区であり、北区と同じような要因が考えられる。

また、犯罪の多い少ないを考える上で参考になるデータとして、「地域における貧困層人口の多寡」が挙げられる。

貧困層の人たちが、必ずしも犯罪を犯す可能性が高いというわけではないが、地域の治安や民度は、そこに住む人たちがどれだけ経済的に余裕があるかという要素と関係していることも否定できない。

そこで、札幌市が公表している「区統計データの中にある、「生活保護の状況(令和2年度)」というデータから、貧困層にある人たちがどれくらいいるかを見てみる。

「被保護世帯」、つまり生活保護を受けている世帯の数が多いのは、東区や白石区、北区、中央区、豊平区など(多い順)である。

興味深いことに、札幌市内の中で犯罪件数が比較的多い区と一致している。

以上から、治安が比較的良くない区がだいたい分かった。中央区、東区、北区、白石区、豊平区の5区である。

もちろん区全体が治安の悪い地域とは言えない。

例えば中央区の「山鼻(やまはな)」地区は高級住宅街としても知られており、高所得者層からの人気が高いなど、例外もある。

ただ、今回は単純化のため大雑把に分類しているので、ご容赦願いたい。

交通の便を区別に比較する

次に「交通の便」を考える。先ほど治安が悪い区として挙げた5区を除外し、残った5区(西区、南区、手稲区、清田区、厚別区)について、交通の便を検討する。

まずは西区。西区内には地下鉄東西線や、JR函館本線、学園都市線が通っており、鉄道沿線であれば札幌中心部まで楽々アクセスできる。

特に「琴似」は地下鉄とJR両方にアクセスできる立地にあり、利便性は非常に高いと言える。

ただ、同じ西区でも鉄道から離れた地域(西野など)は、路線バスこそあるものの交通の便はやや悪く、自家用車への依存度も強くなってしまいそうだ。

次は、南区を考える。南区には地下鉄南北線が通っており、澄川、自衛隊前、真駒内の3駅がある。

札幌市内では特に自然豊かで、過ごしやすい地域ではあるが、公共交通機関が少ないのは否定できない。南北線の沿線であれば問題ないと思われるが、それ以外の地域だと公共交通だけで生活するのは大変かもしれない。

手稲区は、地下鉄が一切通っていない。鉄道はJR函館本線のみだ。

手稲駅に快速エアポートが停車するなど、一部利便性が高いと思われる部分もあるが、JRは地下鉄と比べ悪天候の影響を受けやすい。

特に冬場はしばしば遅延や運休が発生するため、通勤通学に支障が出てしまうこともあり得る。

清田区は、地下鉄はおろか、鉄道自体が存在しない。今後地下鉄が延伸される計画もなくはないが、地下鉄ができるにしても数十年はかかるだろう。

清田区内から札幌中心部まで公共交通で行くなら、バスを使う他ない。路線バスはこまめに停車するため、自宅から近い停留所から乗れるというメリットもあるが、雪の影響を受けやすい

大雪になると時間がかかったり、運休したりしてしまうこともある。地下鉄と比べると、安定性に欠けているのが正直なところだろうか。

最後の厚別区には、地下鉄東西線とJR千歳線、函館本線が通っている。

東西線の終点駅で、JR駅もある「新札幌」は札幌の副都心エリアとして開発された経緯もあり、商業施設が集積した便利なエリアになっている。JRでは快速エアポートや特急も停まるため、旅行にも便利だ。

さて、以上5区の交通の便を簡単に紹介してみた。私見にはなるが、これらの区で交通の便が良いのは、「西区と厚別区」ではないだろうか。

地下鉄はもちろん、JRも使えて、さらに琴似(西区)や新札幌(厚別区)という便利なエリアもあるからだ。

札幌中心部からの距離を考える

最後に、勝ち残った西区と厚別区について、札幌中心部からの距離を考えたい。

札幌中心部に通勤通学する場合、距離というのは大きな問題になる。距離が長ければそれだけ、時間も交通費もかかるからだ。

まずは西区について。西区には、地下鉄東西線(二十四軒~宮の沢)、函館本線(琴似、発寒中央、発寒)、学園都市線(八軒)の3路線がある。

これらの中で、札幌中心部(JR線は札幌駅、地下鉄は大通駅)までの所要時間を調べると、

・地下鉄東西線:9~16分(二十四軒駅:9分、宮の沢駅:16分)

・JR函館本線:6~11分(琴似駅:6分、発寒駅:11分)

・JR学園都市線:6分(八軒駅)

となり、最も時間がかかる駅でも20分以内であることが分かる。

次に、厚別区の場合。厚別区には、地下鉄東西線と、JR函館本線、千歳線が通っている。

こちらも同様に所要時間を調べてみると、

・地下鉄東西線:16~19分(大谷地駅:16分、新札幌駅:19分)

・JR函館本線:11分(厚別駅)

・JR千歳線:11~19分(新札幌駅:11分(快速エアポート)、上野幌駅:19分)

となっている。どれも20分以内ではあるが、西区とは違い、10分以内でたどり着ける駅はない。

したがって、札幌中心部からの距離という観点では、厚別区よりも西区の方が勝っていることが分かった。

結論

今回は、「治安」「交通の便」「札幌中心部からの距離」という3つの要素から、札幌市内で住みやすい区を考えてみた。

結論を言うと、札幌市内で住みやすい区は、「西区」であることが分かった。特に地下鉄東西線沿線地域がおすすめだ。

札幌市内で家を買う人や、移住を考えている人の参考になれば、嬉しいと思う。

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