皆さんこんにちは。今回は、私が通っている大学である「慶應義塾大学」で印象に残っている授業をご紹介したいと思います。
歴史Ⅰの授業(日吉キャンパス)
私が大学1年生の頃受けた、日吉キャンパスの「歴史Ⅰ」の授業です。
この授業は、政治学者の片山杜秀教授(法学部)が担当されていました。
片山教授の「歴史」は、慶應生の間では「楽単」として知られていました。(今はどうなのかは分かりません)
「楽単」は、「楽に単位を取れる」の略です。大学生というのはなるべく勉強せずに単位を取りたいと考える習性がありますから、「楽単」の科目は人気が集まるわけです。
そういうわけで、片山教授の「歴史」も、履修希望者が殺到していました。
私が大学1年生の時(2017年ごろ)には、履修希望者があまりにも多すぎて学生が教室に入りきらないという事態にまでなりました。
真剣に勉強したい人よりも、楽に単位を取りたい人が圧倒しているのは大学としてどうなのかという気もしますが、これが現実。抽選に通らなければ、いくら真面目な意志があっても履修することすら出来ません。
履修希望者の列を見て、「これじゃ抽選外れるだろうな~」と思っていましたが、抽選にはあっさり通りました。
さて、授業は、片山教授がセレクトした映画を鑑賞して、日本の近代史について考えるという内容でした。
講義で流された映画は「ゴジラ」や「シンゴジラ」、原爆投下時の広島を再現した「ヒロシマ」などさまざまでした。
私は今まであまり映画に興味を持つことはなかったのですが、片山教授が流す映画はどれもとても面白く、興味深いものでした。
特に「ゴジラ」や「シンゴジラ」のストーリーは今でも覚えています。
授業内容はとても充実していましたが、授業を聞いている学生の態度は最悪でした。
先ほども書いたように、片山教授の授業は「楽単」として有名でした。つまり、勉強をせずに単位だけ取りたいという不真面目な学生がどうしても多くなるのです。
「授業を聞く気がないなら、出席しなきゃいいのに」と思うのですが、そういう連中に限って教室に来るんですね。そして友達と喋りまくるのです。
なので、教室は常に学生の私語でガヤガヤしていました。ストレスも大きかったですが、片山教授の解説や、映画が面白かったので、何とか毎週出席することができました。
さて、あの頃教室で私語を連発していた連中は今頃どうしているんでしょうか?留年などしていなければおそらく就職していると思いますが、大企業に進んだ人間もいるのでは?
授業を真面目に聞いていた私が内定ゼロで、授業を一切聞かず私語に興じていた連中が大企業に行くことが本当にあったとしたら、この国はどこかおかしいと思います。
まあ、片山教授には私語を注意していただきたかったですが、おそらく彼は私語をしている学生など一切眼中になく、1秒たりとも彼らと関わりたくないと思っていたのではないかと思います。
だからこそ、いくら教室がガヤガヤしようと、まるで彼らがいないかのように熱心に解説をなさっていました。
今はオンライン授業がメインになったので片山教授の授業がどうなったかは分かりませんが、きっと今でも面白く示唆に富んだ講義をなさっていることと思います。
慶應生の方は、ぜひ「楽単」だからという理由ではなく、「片山教授のお話を聞きたい」という理由で、授業を選ぶようにしてください。