地方出身で、首都圏の大学に卒業後、再び地方(札幌)に移住。
そんな生活をしてきた中で、地方には「独特のクセ」というものがあると分かるようになってきた。
地方というのは東京とは異なり、ある種の「クセ」を持っている。
これは北海道から沖縄まで、どこも同じだと思う。
では地方出身の自分がなぜ、最近までそれに気付かなかったのかというと、
-
たとえ地方出身でも、地元の「クセ」を地元民が自ら気づくことは困難
-
地元は東京志向の強い地域だったため、他の地方より「クセ」が弱い?
といった理由を挙げることができる。
という点に加えて、
首都圏在住時は地元に帰省した際も、半ば地元や地元民を
「見下しながら見ている」節が強いので、(自分だけかもしれないが)
仮に地元のクセを発見することがあっても、それほど気にはならないのかもしれない、という仮説もある。
地方というのは、基本的にはそこで生まれ育った人、もしくはその周辺地域から移住してきた人が大半で、遠いところからやってくる人は少数派だ。
札幌なら北海道、仙台なら東北、福岡なら九州とばかりに、文化の似た地域から移住してくるという例がほとんどだろう。
一方東京の場合、北海道も東北も関西も九州も関係なく、色々な地方から人がやってくるので、日本では一番「クセ」の弱い地域だと考えられる。
とはいえ、最近は東京人2世、3世が増えてきているので、今後は首都圏でもクセの強いエリアが増えてくる可能性はあるし、
現代でも比較的「江戸っ子」の多い東京23区東部は、首都圏でも例外的にクセの強いエリアだと言える。
さて、地方民の持つ「クセ」とは具体的には何なのか。
さまざまなベクトルから語ることができるが、日常にかかわりのある話で言うと、「行動の仕方」や「話し方(方言)」といった例がポピュラーだろう。
例えば、運転マナー。北海道民の運転マナーは最悪という話を、私は再三してきているのだが、当の北海道民はそれに気づいていない。
それどころか、レンタカーに乗った観光客の方が酷い運転をしているとか、的外れなことを平気で言っている。
これも北海道民の「クセ」が原因で、彼らは自分たちの運転に問題があるとは露とも思っていないのである。
なぜなら、北海道にいる限り、他のエリアの人間の運転マナーというのを学ぶ機会はないし、周りの人間も同じような運転をしているから、それが間違いだと気づくことは不可能なのだ。
次に、「話し方(方言)」に関して言うと、こちらも首都圏近郊を除くほぼすべての地域で、「クセ」があると考えることができる。
しかしながら、こちらも私の地元は例外的に、首都圏でないのにもかかわらず方言というものがほぼない。
あってもごく少数の語彙のイントネーションが異なっている程度のため、私は地方における方言というものを意識することは(首都圏に出て以降も)全くなかった。
さて、札幌に関して考えると、こちらも巷では「方言がないエリア」と言われるが、実際には意外と方言が残っている。
語彙に関して言えば、新潟発祥の「なまら」、関西方言でも出てくる「なんぼ」など。
イントネーションの違いで言えば、「コーヒー」「椅子」「保育園」など多数。
道民にとって一番身近な「内地」は東北で、東北地方は方言が濃い地域が多いので、それと比べて「自分たちは方言を喋らない」と考えているのか。
とはいえ、方言がないと言うのは正しくないだろう。
首都圏から地方に移住する場合、このような地方独特のクセを乗り越え、それに順応しなければならない。
結局、クセの少ないエリアを求めるならば、首都圏に住むのが最適解ということになるだろう。
だが、クセがない≒住みやすいというわけでもないため、世の中は難しい。