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もしも、北大(北海道大学)に進学していたら

北海道・札幌

今年2024年の3月で、大学を卒業してから2年が経つ。
私は1年間の浪人を経て東京の私立大学(と関西の私大一校)に複数合格していたのだが、このとき北海道大学にも合格していた。

当時東日本の地方、しかも東京志向の極めて強い地域に住んでいたので、やはりいきなり北海道に住むのは難しいということになり、結局北大は蹴って東京の大学に行くことになった。

北大に行くか、それとも東京の大学に行くかという決断は、当時の自分にとってはかなりの難題であった。
確かに北海道は当時の自分からは未知の地域だったし、地方の大学は就活でも不利になるという情報をネット上で見かけることも多かった。
それでも、「旧帝国大学」というブランドは魅力的だったし、広大なキャンパスを持つ北大は憧れの大学の1つでもあった。

私大の入学金納付の締め切りが迫る中、悩みに悩んだ末に北大を蹴ることにしたわけだが、その選択は正しかったのだろうかと考えることが今でもある。

そもそも、私が2022年の4月から札幌に住み始めたのは、北大を蹴ったことで札幌に住むことが叶わなかったからという理由もある。
つまり、北大を蹴ったという選択がなければ今の自分がないことは明らかであり、仮に北大に進んでいたとしたら、全く別の人生になっていたことも大いに考えられる。

そこで今回は、もし私が私大を全て蹴り、北大に進学していたとしたら、人生がどう変わっていたのかについて考察したいと思う。

目次

  1. ①北大の総合理系に進学
  2. ②具体的な学部を検討
  3. 理学部
  4. 農学部
  5. 工学部
  6. 経済学部
  7. 法学部
  8. ③大学1年次の成績はどうなっていたか
  9. ④現実的な学部移行先は?
  10. ⑤北大経済学部生として

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①北大の総合理系に進学

私は北大の総合理系に合格していた。
総合理系というのは、入学時点ではまだ学部が決まっておらず、入学後の成績によって進む学部が決定されるという制度に基づいていて、これは東京大学と似た制度だ。

総合入試について | 入学案内 – 北海道大学 北海道大学では、学部別入試に加えて、平成23年度から総合入試を導入しています。 総合入試とは、学部ごとではなく文系www.hokudai.ac.jp

つまり、入学してから理系の学部(工学部、理学部など)に進むことはもちろんできるし、場合によっては文系学部に進むことも可能ということだ。

さて、私はどの学部に進んでいただろうか。
医学部や獣医学部、歯学部、薬学部は、難易度が高すぎるのでおそらく無理だろうし、コミュニケーションに自信のない私が進んでこれらの学部に進もうと考える可能性は低い。

となると、残りは理系の工学部、理学部、農学部、水産学部と、文系学部全て(法学部、経済学部、文学部、教育学部)に絞られる。
このうち、水産学部函館市にキャンパスがあるので、転居を極力避けたいい性格を考えると、決して選ぶことはないと思う。
残りの理系3学部についてだが、高校の物理があまり得意ではなかった(総合入試では、化学の配点が高い「化学重点」で受験していた)ことを考えると、工学部を選んでいた可能性は低いが、物理と関連の少ない学科であればまだ可能性はある。

したがって、理系で私が進学していた可能性の高い学部は、理学部と農学部、そして工学部(物理と関連の少ない学科)ということになりそうだ。

文系学部に関しては、高校時代から教師になる気はさらさらなかったこと、また文学への興味が薄かったことから鑑みると、進学する可能性の高い学部は経済学部か法学部のどちらかになるだろう。

②具体的な学部を検討

さて、残った学部に関して、それぞれの学部に進学する可能性について考察したい。

理学部

まず初めに、理学部について。
理学部といってもイメージが浮かびにくいのだが、数学科や物理学科、化学科など色々な学科があるようだ。
どの学科を選んでいたかについては全く想像しようがないが、高校時代から「特殊な人しか行かない」「就活で不利」という説明をYouTubeなどで見ることが多かった数学科については、おそらく選ぶことはなかったと思う。

物理学科は前述の理由で難しい。
となると、化学科や地球惑星科学科あたりがしっくりくるだろうか。
どの学科を選んでいたとしても、厳しい研究生活が待っていることと思うので、ASDの自分がそれを乗り越えられたかというと自信がない。

農学部

農学部に関しては、田舎出身で農業に関わることが少なからずあった自分としては、おそらく一番合いそうな学部のような感じもする。
北大は札幌農学校をルーツとしているように、農業の大学という側面も強いから、そういった面でも農学部を選ぶ可能性は割と高いように思える。

ただ、総合入試で入った学生の学部移行点を公表したサイトによると、農学部の学科は軒並み移行点が高い(つまり難易度が高い)ようなので、成績次第では厳しいかもしれない。

【2022最新】総合理系・文系の移行点を過去3年分公開!!北大の総合理系、総合文系の方必見!北海道大学の移行点を過去三年分公開します。平成30から令和2年です!そのためかなり最新のwww.karaskun.com

工学部

工学部に関しては、前述の理由で物理系の学科は避けることになるだろうが、私の興味に近い情報系の学科に進学しようと考える可能性は高いと思う。
私は大学に進んでから、特に2年生くらいからプログラミングに興味を持ち、勉強をするようになっていた。
同様のことが北大でも起きていたなら、ちょうど学部を決めるくらいのタイミングで、プログラミングへの興味が芽生えていたはずだ。
そう考えると、成績次第ではあるが、(工学部の学科の中では特に難易度が高い)情報系の学科を選ぶ可能性は非常に高いと言える。

経済学部

経済学部については、高校時代から数学が好きだったことを考えると、文系学部の中では私の趣向に一番合う学部だろう。
ちなみに私は大学時代経済関連の学部(経済学部ではない)に所属していたので、経済学部ならイメージが浮かびやすい。

法学部

法学部というと、司法試験を始めとする超難関試験を筆頭に、勉強が大変というイメージを高校時代から抱いていたので、進学する可能性は低そうだ。

③大学1年次の成績はどうなっていたか

自分の希望する学部に進むためには、1年次の成績が非常に重要になる。
もし成績が悪ければ(留年は論外だが)、移行点の低い学部しか選択肢に上がらなくなってしまうからだ。
そこで、北大に進学していた場合の1年次の成績を考えてみたい。

考えると言ってもどうしようもないので、私の大学1年生の頃(東京の私大)の成績から考えてみたいと思う。
大学1年というと、進学したばかりで環境の変化に戸惑う時期でもある。
ASDの自分としては、環境に適応することで精一杯になるだろう。

ただ、それでも1年次の成績はボロボロというわけではなく、(勉強しかしていなかったというせいもあるだろうが)そこそこの成績ではあった。
しかしながら、私が特に苦手とする外国語の授業は全てサボっていたので、単位を落とす結果になってしまっていた。

このことを北大に適応してみると、外国語以外の科目で高い成績をあげていない限り、外国語の落単が足を引っ張ってしまっていた可能性が高い。
つまり、高い移行点が求められる学部・学科に進むことは絶望的だっただろう。

④現実的な学部移行先は?

以上のことから、現実的な移行先を考えてみると、
比較的低い移行点でも問題のない経済学部、理学部(化学科、地球惑星科学科)のどれかに進むことになっていたのではないだろうか。

ここでおそらくパラレルワールド(北大に進学していた場合の世界線)にいる自分は、大学進学以来の大きな決断を迫られることになる。
それは、理系を続けるか、それとも文系に進むかという問題だ。

どちらの選択を選ぶかは何とも言えないが、おそらく大学1年次における経験がその選択の如何に大きな影響を与えることは間違いない。

高校・浪人時代から、私は「理系はコミュニケーションが苦手な人には酷」であることを薄々感じていた。
だからこそ、北大を蹴った理由の中には、北大が理系学部で、東京の私大が文系学部だったからというものもあるのだが、当時から私は理系に進むことに限界を感じていた。
(なのになぜ高校で理系選択だった?という根本的な疑問が出てくるが、それについては自分でもよく分からない)

もし仮に北大に進んだとして、上記のような「ASD+理系=絶望」というような単純な理解に変化が起きていないとするならば、「逃げ癖」のある私は理系を避けていた可能性が極めて高い。

こう考えると、私の進む学部は以下のようなif構文で整理することができる。

if 高校時代から抱いていた理系へのマイナスイメージに変化がなければ:
文系学部(経済学部)に進学
else それ以外(つまり、大学1年次に何か特別な経験をして、理系に進む自信を得た場合):
理系学部(理学部)に進学

大学1年次に何か特別な経験をして、理系に進む自信を得た場合にのみ、理系学部に進んでいただろうとのことだが、
ASDで人間嫌いでコミュニケーション能力が極めて低い自分、そして環境の変化に耐えることで精一杯な1年次の状況を考えると、
残念ながら特別な経験をしていた可能性も低いと考えざるを得ない。

したがって、北大生の私はおそらく経済学部に進むことになっただろう。

⑤北大経済学部生として

大学2年生となり、北大の経済学部生になった私はどんな学生生活を送っていただろうか。
先述の通り、私は東京の私大で経済系の学部に所属していたので、ここからは想像がよりしやすくなる。

経済や数学は得意分野なので、おそらく友達がいなかったとしても、単位を落とすことはほとんどなかったと思う。
ただ、外国語の科目が足を引っ張っているので、外国語への対処次第では他の科目にも悪影響が及んでいた可能性も考えられる。

さて、北大の経済学部は、ゼミが必修科目になっているという特徴がある。

概要 – 北海道大学大学院経済学研究院・経済学院・経済学部www.econ.hokudai.ac.jp

ゼミというのは、文系学部出身の人なら何となく分かると思うが、色々な分野ごとに学生少人数と教員1人から構成される研究室のようなものだ。
そこで各々の学生は自分の専攻分野を決めて、最終的には卒業論文を書くことになる。

非常に恥ずかしい話であるが、私は大卒者であるのにもかかわらず、卒論というものを書いたことがない
何を隠そう、ゼミに入っていなかったからだ。

私の出身大学(学部)はゼミが必修ではなかった。
だから、適当な代替科目でお茶を濁すことに成功した(成功と言って良いのか?)わけだが、北大経済ではこの手は使えない。

さあ、どうする?ゼミを突破できなければ、留年→中退の道が待っている。

⑥ゼミ、就活…無理難題が続く

北大経済ではゼミは必修だ。
さて、ASDで友達いない歴10年弱(現在は10年を超えている)、人と私的な会話をするのは数か月に1回という自分よ、ゼミを突破できるか?

しかも相手は経済学部だ。
いくら旧帝国大学でも、「同類だらけ(偏見)の理系学部ではない。
そこには私大よりはましとはいえ、「ウェイ系」の学生も混ざっていることだろう。

指導教員にASDへの理解があればまだ大丈夫だろう。
もし、「ASD?そんなん知るか!ディベート、プレゼンできない奴に単位はやらん!」という具合だったら、そこで終了、つまり中退確定だ。

もちろん、ゼミを選ぶ際には教員にあらかじめASDであることを伝えることになるだろうから、それに対する反応で様子を見ることもできる。
できるだけ理解してくれる教員のゼミに入り、「合理的配慮」の名のもとに同じゼミ生から疎まれるほどにまで「配慮」をしてもらえれば、何とかゼミを突破できるかもしれない。

何とかゼミを突破した!卒論を書いた!
これで俺の大学生活は成功裏に終わった!と言いたいところだが、まだ難敵が待ち構えている。
そう、就職活動である。

私は現在フリーランスとして働いているが、これは大学時代、就活に失敗したから、つまり1社からも内定を得られなかったからであるが、
おそらく北大に進学した世界線でも同様のことが起きていたはずだ。

時は2020年(留年していたら21年)、コロナ禍真っ最中だ。
札幌に住んでいても、リモートで東京の企業と面接ができる、これはコロナ禍様様である。
ただ、己のコミュニケーション能力、主体性、社会性の低さは、たとえリモートでも誤魔化すことはできない。
結果、「内定ゼロ」という称号を引っ提げて、私は北大を卒業することになろう。

結論:北大でも東京の私大でも、大して変わらない?

さて、今回は北大に進学した世界線に想いを馳せ、その行く末を考えてみた。
以上のように考えると、仮に北大に進んでいても、私の大学生活は東京の私大のそれとほぼ変わらなかったのではないかと思えてくる。

経済的な出費に関しては、もちろん学費が私立より国立の方が安い(それに、家賃も首都圏より札幌の方が安い)から、少し余裕が持てたかもしれない。

ただ、それ以外は友達ゼロ、成績はそれなり、文系に逃げる、内定ゼロという、私の世界線と全く同じルートを辿ることになると思っている。

結局同じ結末になるなら、大学時代を首都圏で過ごし、そして現在を札幌で過ごしている今の世界線の方が、総合的には良いのではないだろうか。

「北大に進んだ方が良かったんじゃないか・・・」と思い悩んだ数年前の自分に送りたい記事が書けたと思う。

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